医療法人社団 博鳳会 敬愛病院附属クリニック | ストレスと心疾患

ストレスと心血管疾患

日本人の3大死因として悪性腫瘍、心血管病、脳血管病があります。心脳血管病の危険因子として高血圧症、脂質代謝異常症、糖尿病、喫煙がありますが、特に最近では食生活の欧米化により肥満やメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)が問題視されています。これらの危険因子が複数あると、心臓の筋肉に栄養を送っている血管である冠動脈に脂質に富んだアテローム性動脈硬化が形成されます。ストレスなどで冠動脈が収縮を繰り返していると、この脂質部分が破綻(はたん)して血管内に入り込み、血の塊が形成され血管を閉塞させます。そうなると心筋に酸素や栄養素を心筋に供給できなくなり心筋が壊死(えし)し、体全体に血液を送るポンプという心臓本来の役目ができなくなり、重症の場合は死亡することもあります。

心筋梗塞の発症には精神的ストレスが関与していることが多いことが分かっています。自律神経には交感神経と副交感神経があります。交感神経は怒ったり、緊張したり、精神的ストレスがあると興奮し、全身の血管を収縮させ血圧を上げたり、脈を速くしたりします。逆に副交感神経は睡眠や食後の消化に関与しています。これらのバランスは生命維持に必要なものであり、自分の意志ではコントロールができません。つまり自律神経がコントロールしていますが、交感神経が優位に働くと血管の内側にある血管内皮という細胞が収縮させる物質を放出します。この細胞は普段は血管を拡張させる物質である一酸化窒素(NO)などを作り出していますが、ストレスがあると血圧や脈拍を上げたり動脈硬化の進展を促進したりして、心筋梗塞の発症につながる可能性があります。

また、ストレスがあると脳からの刺激で胃酸分泌が亢進されるため、空腹時にも胃酸過多になると胃潰瘍や十二指腸潰瘍にも進展することがあります。このようにストレスと病気は密接した状態にあります。 また、ストレスは活性酸素によって酸化された悪玉コレステロール血液中の酸化LDLを増加させ、これによっても動脈硬化の進行が促されます。また、ストレスによる睡眠障害が続くと朝方の血圧が上昇し、血糖値までも上昇させるという悪循環も招きます。 ストレスはその人によって感じ方や程度が違い、客観的に測定することが難しいと言われています。当クリニックではストレス度を簡便に測定できる検査があます。これは測定器で指先の脈を5分間測るだけで判定でき、保険も適用されています。 若い人の心筋梗塞には、その原因がストレスや喫煙しか考えられないケースが増えています。日ごろストレスを感じている人は、心筋梗塞予防のためにこうした検査を活用すると良いと考えられます。

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敬愛病院附属クリニック

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